○三郡衛生組合職員の懲戒処分等に関する基準
令和5年2月20日
訓令第3号
1 趣旨
この訓令は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第29条第1項の規定に基づく職員の懲戒処分を厳正かつ公正に行うため、職員の懲戒処分及び処分内容の公表基準について必要な事項を定めるものとする。
2 基本事項
懲戒処分の基準は、人事院事務総長が各府省等の国家公務員に通知した「懲戒処分の指針について(平成12年3月31日付け職職―68)」により、職員の懲戒処分を決定するに当たり、懲戒処分の対象となる標準的な処分を別表1に掲げたものである。
具体的な処分の決定に当たっては、
(1) 非違行為の動機、態様及び結果は、どのようなものであったか
(2) 故意又は過失の度合いは、どの程度であったか
(3) 非違行為を行った職員の職責は、どのようなものであったか
その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
(4) 他の職員及び社会に与える影響は、どのようなものであるか
(5) 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め、総合的に考慮の上判断するものとする。したがって、個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分以外とすることもあり得るところである。
なお、別表1の標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取扱いを参考として判断する。
3 懲戒処分
法第29条の規定により、職員の非違行為に対して懲罰として行う処分
(1) 免職 職員の身分を意に反して失わせる処分
(2) 停職 1日以上6月以下の間、職は保有するが、職務に従事させず給与も支給しない処分
(3) 減給 1日以上6月以下の間、給料の10分の1以下を減ずる処分
(4) 戒告 非違行為に係る責任を確認させ戒める処分
4 指導上の措置
懲戒処分には当たらないが、職員の非違行為に対してその責任を確認させ、戒めるために行う行為
(1) 訓告 書面により行う戒め
(2) 厳重注意 書面により行う指導上の注意
(3) 口頭注意 口頭により行う指導上の注意
5 公表基準
職員の懲戒処分を行った場合は、当該処分の内容を公表するものとする。
公表の基準は、別表2に掲げるとおりとする。
6 対象職員
対象職員は、次に掲げる者とする。
(1) 三郡衛生組合に勤務する一般職の職員
(2) 法第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員
(3) 法第22条の3第4項の規定により任用している臨時的任用職員
附則
この訓令は、令和5年3月1日から施行する。
別表1
懲戒処分の標準例
項目 | 内容 | 免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
1 一般服務関係 | (1) | 欠勤 | ア | 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員 | ○ | ○ | ||
イ | 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員 | ○ | ○ | |||||
ウ | 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員 | ○ | ○ | |||||
(2) | 遅刻・早退 | 勤務時間の始め又は終わりに日常的に繰り返し勤務を欠いた職員 | ○ | |||||
(3) | 休暇の虚偽申請 | 病気休暇又は特別休暇について虚偽申請をした職員 | ○ | ○ | ||||
(4) | 勤務態度不良 | 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員 | ○ | ○ | ||||
(5) | 職場内秩序びん乱 | ア | 暴行により職場の秩序を乱した職員 | ○ | ○ | |||
イ | 暴言により職場の秩序を乱した職員 | ○ | ○ | |||||
ウ | 肉体的、精神的に暴力やいやがらせなどによって苦しめた職員 | ○ | ||||||
(6) | 虚偽報告 | 事実をねつ造して虚偽の報告を行った職員 | ○ | ○ | ||||
(7) | 違法な職員団体活動 | ア | 同盟罷業、怠業その他の争議行為により、住民の共同利益に重大な影響を及ぼした職員 | ○ | ○ | |||
イ | 前号アの違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員 | ○ | ○ | |||||
(8) | 秘密漏えい | 職務上知ることができた秘密を漏らし、公務の運営に支障を生じさせた職員 この場合において、重大な支障を生じさせた職員 この場合において、自己の不正な利益を図る目的で秘密を漏らした職員 | ○ | ○ | ||||
○ | ○ | |||||||
○ | ||||||||
(9) | 個人の秘密情報の目的外収集 | その職権を濫用して専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員 | ○ | ○ | ||||
(10) | 政治的行為の制限 | 政治的行為をした職員ただし、地方公営企業の職員(管理職員を除く。)及び労務職員は法令により適用除外とする。 | ○ | ○ | ||||
(11) | 兼業の承認等を得る手続のけ怠 | 営利企業等に従事するための許可を得る手続を怠り兼業を行った職員 | ○ | ○ | ||||
(12) | 入札談合等に関与する行為 | 市が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員 | ○ | ○ | ||||
(13) | 公文書の不適切な取扱い | ア | 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員 | ○ | ○ | |||
イ | 決裁文書を改ざんした職員 | ○ | ○ | |||||
ウ | 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
(14) | セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動) | ア | 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員 | ○ | ○ | |||
イ | 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員 この場合において、わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したとき | ○ | ○ | |||||
○ | ○ | |||||||
ウ | 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員 | ○ | ○ | |||||
(15) | パワー・ハラスメント | ア | パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた職員 | ○ | ○ | ○ | ||
イ | パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した職員 | ○ | ○ | |||||
ウ | パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させた職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
(注) | 処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。 | |||||||
2 公金官物取扱い関係 | (1) | 横領 | 公金又は官物を横領した職員 | ○ | ||||
(2) | 窃取 | 公金又は官物を窃取した職員 | ○ | |||||
(3) | 詐取 | 人を欺いて公金又は官物を交付させた職員 | ○ | |||||
(4) | 紛失 | 公金又は官物を紛失した職員 | ○ | ○ | ||||
(5) | 盗難 | 重大な過失により公金又は官物の盗難に遭った職員 | ○ | ○ | ||||
(6) | 官物損壊 | 故意に職場において官物を損壊した職員 | ○ | ○ | ○ | |||
(7) | 出火・爆発 | 過失により職場において官物の出火、爆発を引き起こした職員 | ○ | |||||
(8) | 諸給与の違法支払・不適正受給 | 故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出をするなどをして諸給与を不正に受給した職員 | ○ | ○ | ||||
(9) | 公金官物処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等、公金又は官物の不適正な処理をした職員 | ○ | ○ | ||||
(10) | コンピュータの不適正使用 | 職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用した職員 この場合において、公務に重大な支障を生じさせた職員 | ○ | ○ | ||||
○ | ○ | |||||||
3 公務外非行関係 | (1) | 放火 | 放火をした職員 | ○ | ||||
(2) | 殺人 | 人を殺した職員 | ○ | |||||
(3) | 傷害 | 人の身体を傷害した職員 | ○ | ○ | ||||
(4) | 暴行 | 暴行を加えたが、人を傷害するに至らなかった職員 | ○ | ○ | ||||
(5) | 器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した職員 | ○ | ○ | ||||
(6) | 横領 | ア | 自己の占有する他人の物(公金及び官物を除く。)を横領した職員 | ○ | ○ | |||
イ | 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員 | ○ | ○ | |||||
(7) | 窃盗・強盗 | ア | 他人の財物を窃取した職員 | ○ | ○ | |||
イ | 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員 | ○ | ||||||
(8) | 詐欺・恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員 | ○ | ○ | ||||
(9) | 賭博 | ア | 賭博をした職員 | ○ | ○ | |||
イ | 常習として賭博をした職員 | ○ | ||||||
(10) | 麻薬・覚醒剤等の所持又は使用 | 麻薬・覚醒剤等の所持又は使用した職員 | ○ | |||||
(11) | 酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした職員 | ○ | ○ | ||||
(12) | 淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員 | ○ | ○ | ||||
(13) | わいせつ行為 | ア | 強制性交等、強制わいせつ、公然わいせつ又はわいせつ目的を持って体に触れる等の行為をした職員 | ○ | ○ | |||
イ | 痴漢行為若しくは盗撮行為をし、又は他人の住居をひそかにのぞき見した職員 | ○ | ○ | |||||
(14) | ストーカー行為 | つきまとい等又は位置情報無承諾取得等のストーカー行為をした職員 | ○ | ○ | ||||
4 交通事故・交通法規違反関係 | (1) | 飲酒運転での交通事故(人身事故を伴うもの) | ア | 酒酔い運転で人を死亡させ、又は傷害を負わせた職員 | ○ | |||
イ | 酒気帯び運転で人を死亡させ、又は傷害を負わせた職員 この場合において、措置義務違反をした職員 | ○ | ○ | |||||
○ | ||||||||
(2) | 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの) | 飲酒運転以外の悪質な交通法規違反をして人を死亡させ、又は傷害を負わせた職員 この場合において、措置義務違反をした職員 | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ||||||
(3) | 交通法規違反 | ア | 酒酔い運転又は酒気帯び運転をした職員 この場合において、物の損壊に係る交通事故を起こして、その後の危険防止を怠る等の措置義務違反をした職員 | ○ | ○ | |||
○ | ||||||||
イ | 飲酒運転であることを知りながら、その車両に同乗していた職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
ウ | 運転することを知りながら飲酒を勧めた職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
エ | 同席し、飲酒をしていることを知りながら運転を止めなかった職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
(注) | 処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。 | |||||||
5 公務倫理違反関係 | 職員と利害関係者との接触 | ア | 賄賂を収受した職員 | ○ | ○ | |||
イ | 利害関係者から供応接待を受けた職員 | ○ | ○ | ○ | ||||
ウ | 利害関係者と利害関係を深めるため、共に飲食し、遊戯をし、ゴルフをし、又は旅行等をした職員 | ○ | ||||||
6 管理監督責任関係 | (1) | 指導監督不適正 | 部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員 | ○ | ○ | ○ | ||
(2) | 非違行為の隠ぺい、黙認 | 部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員 | ○ | ○ | ○ | |||
7 関係職員責任関係 | (1) | 非違行為の教唆、ほう助 | 非違行為をした職員に対し、当該非違行為に係る事項を教唆し、又は当該非違行為をほう助した職員 | ○ | ○ | ○ | ||
(2) | 非違行為の黙認等 | 当該職員の非違行為を知っていたにもかかわらず、これを黙認し、又は当該職員とともに非違行為を行った職員 | ○ | ○ |
別表2
公表基準
項目 | 内容 | |
1 公表の基準 | (1) | 免職を行った場合 |
(2) | 職務上の非違行為のうち、刑事事件にかかる事案(過失による交通事故を除く。) | |
(3) | 特に市民の関心の大きい事案又は社会に及ぼす影響の著しい事案 | |
2 公表の例外 | 被害者が事件を公表しないよう求めるとき又は公表により被害者が特定される可能性が大きいときなど、被害者の人権に十分配慮する必要がある場合は公表しない。 | |
3 公表する内容 | 公表する内容は、原則として以下のとおりとする。ただし、免職の場合等、社会に及ぼす影響が大きい事案は、所属、職名、氏名を公表する。 ・発生年月日・職種又は職名・年齢及び性別・事件概要 ・処分内容・処分年月日 | |
4 公表時期及び方法 | (1) | 懲戒処分を行った後に、速やかに公表する。 |
(2) | 公表は、原則として資料提供により行う。ただし、軽微な事案については、一定期間ごとに一括して公表しても差し支えないものとする。 |